ゴシックロリータが日本で流行する理由
ゴシックロリータのブームは日本では原宿などが発祥の地といわれている。しかしゴシックロリータがこれほどまで日本でトレンドとなった理由はなぜだろうか？それは均質な教育、画一的な制服、没個性とも言われる若者の傾向とも密接に関係がある。つまりゴシックロリータのファッションは没個性化していた若者達に新鮮に映った、これがブームの発端になったのではないか？
新しいムーブメントを求めるファッション誌やファッション業界もこれに相乗し大きなゴシックロリータの流れを作り出したとも言える。ゴシックロリータのファッションはジーンズにスニーカー、ジャケットなどの没個性かが進むファッションに比べると魅力的に映る。入手経路も未だ整っておらずゴシックロリータ＝おしゃれの構図が成り立っている。
またメイド喫茶のブームに代表される男性側からのフリルのついたファッション（こちらはどちらかというとロリータファッションに近いが）への要望の高まりもゴシックロリータのブームの後押しを下とも言える。日本発のゴシックロリータは新トレンドとして大手ブランドでも取り入れられはじめている。フリルがついた女性的で独特の雰囲気がある日本におけるゴシックロリータファッションは海外のデザイナー達に新鮮に映ったようだ。こうした魅力的なファッションを作り出すことができる日本のファッション界にはまだまだ活気があるといえる。ゴシックロリータはまさに日本初のファッションムーブメントと言えるだろう。
ゴシックロリータが人気の理由は？
ゴシックロリータはいわゆる中世ヨーロッパの婦人向けのファッションに代表される雰囲気を持つ。フリルが多く取り入れられた洋服とも言える。ゴシックロリータのカラーリングは白と黒に代表されるが希に赤や白を取り入れることもある。洋服自体の主張が強いこれらのファッションはいわゆる「コスプレ」と勘違いされることも多い。しかしファンはこれらの洋服・文化へのフェティズム（情熱）が深い人が多い。自分たちの洋服を単なる「コスプレ」と割り切って見られることを極端に嫌う人達が多いのである。
日本でのゴシックロリータは女性らしさを前面に押し出すフリルの多様化に特徴がある。ゴシックロリータのこの日本での変容はフェミニンとして一般化しファッション雑誌でも広く掲載されている。つまり流行したバルーンスカートやフェミニンワンピースといったもののルーツはゴシックロリータにあるといえる。ゴシックロリータの基本には洋服にたいする愛情。その中における自己表現のための改造やデザインの変更、常に新しいものをもとめるゴシックロリータファッションのファンが新しいトレンドを作り出しているのである。
ゴシックロリータは女性を女性らしく着飾ることができ、かつ個性を主張することができる。近年ファッション情報の高速な広がりから来た均一化の波を乗り越え、個性を主張するためのアイテムとしてゴシックロリータファッションは取り入れられている。こうした日本の若者を取り巻く背景がゴシックロリータの人気の理由とも言えるのだ。
ゴシックロリータの基本
ゴシックロリータというファッションを正しく理解している人はそれ程多くないと私は思う。多くの人は街中のフリルのついた可愛いファッションをゴシックロリータだと思っている。ゴシックロリータは最近ファッションとしても広く取り入れられファンも増加傾向にある。
ただしゴシックロリータをファッションとして取り入れている人の中には強い思い入れを持つ人も多い。音楽シーンにルーツを持つゴシックロリータファッションには髑髏や十字架といったアイテムが取り入れられることも多く、日本でのブームはこうした音楽シーンに起因しているといっても過言ではない。
ゴシックロリータはそうした音楽シーンから発祥した。しかしここ数年はアニメやマンガに代表されるいわゆるオタク系のファッションとしても独自の文化を気付きつつある。こうしたファンと従来からの音楽シーンにルーツを持つゴシックロリータのファッション文化には微妙にズレが生じている。オタク系のファッションがいわゆるメイド服に近づいたのに対して、音楽シーン系はよりシュールにストイックにゴシックに追従していると言える。
またオタク系のゴシックロリータはコスプレの一要素になっている。しかし音楽シーン発祥のゴシックロリータは日常のファッションとしてもその洋服を取り入れているファンが多いことも特徴の一つである。中世ヨーロッパを彷彿とさせるゴシックロリータファッションを身につける人達にはその洋服に対しての思い入れが深い人が多いのだ。こうしたコスプレ好きのゴシックロリータファンと、自分のポリシーをしっかりと持つ人の間には、ファッションの捉え方に大きな開きがある。
